切れ味の良い包丁は、 料理の重要な要素です。
魚を三枚おろしにしたり、 大根のかつら剥きをしたりするには、 切れない包丁ではうまくいきません。
スーパーやホームセンターでは、 手頃な価格の包丁が たくさん販売されています。
しかし、時には高品質な包丁を 購入したくなることもあるでしょう。
こちらでは、 本格的な包丁作りで知られる老舗を いくつかご紹介し、 包丁選びのポイントもお伝えします。
包丁作りで特に有名な鍛冶屋は どこにあるのでしょうか？
日本には、 古くから伝統的な包丁を作る鍛冶屋があります。 その中でも特に有名な地域と 代表的なお店をご紹介します。
新潟県三条市の燕三条地域
燕市と三条市は、 新潟県の中心部に位置し、昔から 刃物や金物、洋食器の生産が盛んです。
その洋食器は世界的に有名で、 名だたる晩餐会でも使用されています。
燕三条の包丁は「抜き刃物」と呼ばれ、 金属板を金型で打ち抜いて 作られています。
一般的な「打ち刃物」 とは異なりますが、 切れ味が良く、品質も安定しています。
特に有名な店は「藤次郎」です。
1953年に農業用刃物の製造を開始し、 後にフルーツナイフや包丁の製造に進出しました。
1970年には新潟県推奨優良品に認定され、 1980年には藤次郎DP口金付き包丁シリーズが 通産省グッドデザイン商品に認定されました。
岐阜県関市
関市は、800年以上前から刀鍛冶が存在し、 その伝統を受け継いで、 丈夫で切れ味の良い包丁が 作られています。
日本で最大の刃物生産地であり、 ドイツのゾーリンゲン、 イギリスのシェフィールドと並ぶ 世界三大刃物産地の一つです。
代表的な店は「浅野鍛冶屋」です。
2004年に浅野太郎が設立し、 日本刀の技術を生かして、 高級包丁「棒樋」を開発しました。
その技術は国内外で高く評価され、 多くの外国からの来訪者が その技術に興味を持っています。
大阪府堺市
堺市は、料理人が使用する包丁の 9割以上を生産する大産地です。
古くから鉄砲の産地であり、 江戸時代から刃物の製造が 盛んになりました。
明治時代からは料理用包丁の製造が盛んになり、 「堺の包丁」として広く知られるようになりました。
現在でも鋭い切れ味を誇る高品質な包丁
・大阪府堺市の名店「高橋楠」
堺市で有名な包丁鍛冶屋には、 高橋楠や山脇刃物製作所があります。
高橋楠は、1917年に刃物の製造卸として創業し、 主に和包丁を作り続けています。
硬くてよく切れる粉末ハイス鋼を使い、 刃の不要部分を極力減らして 抜群の切れ味を保っています。
「一刀斉虎徹」という銘は、 江戸時代の刀匠「虎徹」にちなみ命名され、 高橋楠の中でも上位の包丁です。
堺市の名店「山脇刃物製作所」
山脇刃物製作所は1927年に設立され、 料理人用の高級包丁を作り続けています。
調理師学校などでも使用される 高品質な包丁を提供し、
自社ブランドの 「郷右馬充義弘（ごううまのすけよしひろ）」は 国内外で人気があります。
福井市越前市の越前刃物
越前刃物の歴史は 南北朝時代にさかのぼります。
当時、京都の刀鍛冶が移り住んで 農民のために鎌を作り始めたのが起源です。
1979年に伝統工芸品に指定され、 品質の良さが認められました。
越前包丁は、「二枚広げ」という技法で 鋼を二枚重ねたままベルトハンマーで打ち、
厚みがあり板ムラのない 上質な包丁を作ることに成功しています。
越前刃物の名店「鍛冶工房いわい」
鍛冶工房いわいは、 700年の伝統を誇る 打刃物の専門店です。
伝統工芸士が高い技術で 一つ一つ手打ちで仕上げており、 伝統工芸品の認定も受けています。
高知県美香市土佐山田町の土佐刃物
土佐刃物は、 古くから豊富な山林伐採のために 発展してきました。
農業や林業用の刃物の精度が高く、 包丁作りも飛躍的に発展しました。
土佐刃物は庶民のニーズに応じて 自由鋳造を行い、 注文に応じた刃物を作ることが特徴です。
土佐刃物の名店「梶原刃物製作所」
梶原刃物製作所は 明治時代初めに 初代梶原平次が設立し、 伝統を受け継いでいます。
鋳造から研磨まで一貫した手作りで 高品質な包丁を
若い世代に向けたデザインの包丁も 手掛けています。
高級包丁を選ぶ際のポイント
有名な鍛冶屋さんの 高級包丁を購入するのは 少し勇気が要りますね。
特に初心者の方が 失敗しないためには、 以下のポイントに注意しましょう。
信頼できるお店で購入する
信頼できる職人さんや 店員さんがいるお店で 購入することが大切です。
実際に手に取ってみる
包丁を手に取って握ったり、 上下に振ったりして、 自分の手にしっくりくるものを 選びましょう。
刃の直線性を確認する
包丁を立てて見て、 刃がまっすぐになっているか 確認します。
予算に合うものを選ぶ
高級包丁でも 予算内で購入できるものを 選びましょう。
ブランドの高級包丁は、 一般的に切れ味が良いため、
店員さんに希望を伝えておすすめを聞くのも 良い方法です。
2～3点に絞り、実際に手に取って確認し、 予算に合うものを選ぶのがポイントです。
良質な包丁は10～20年使えることが多く、 多少高価でも長期的には得になるでしょう。
包丁作りで有名な鍛冶屋
包丁作りで有名な鍛冶屋には以下のようなものがあります。
・新潟県燕三条の「藤次郎」
・岐阜県関市の「浅野鍛冶屋」
・大阪府堺市の「高橋楠」や「山脇刃物製作所」
・福井県越前市の「鍛冶工房いわい」
・高知県美香市土佐山田町の「梶原刃物製作所」
これらのブランドはすべて 切れ味の良い高級包丁を 製作しています。
高級包丁を購入する際は、 専門の職人さんや店員さんがいるお店で 実際に手に取って選びましょう。
上質な包丁は手入れをすれば長持ちし、 いつまでもよく切れるので、 一丁は持っていたいものですね。
